【企業向け】外国人実習生の雇用契約と必要書類をわかりやすく解説!

2025年4月25日
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【企業向け】外国人実習生の雇用契約と必要書類をわかりやすく解説!

外国人実習生受け入れの法的手続きと必要書類を徹底解説!

初めて制度に触れる企業にとっては、「どのような雇用契約が必要なのか?」「どのタイミングで書類を提出するのか?」といった疑問や不安がつきものです。

実際、技能実習制度は関係書類が多く、契約や行政手続きも複雑です。

少しのミスや認識違いが大きなトラブルにつながる可能性もあります。

本記事では、外国人実習生の雇用契約に必要なポイントと書類手続きの流れを、企業目線でわかりやすく解説します。

本記事の内容

  • 外国人実習生受け入れの準備とは
  • 外国人実習生の雇用契約の流れ
  • 必要書類一覧と間違えやすいポイント

外国人実習生の雇用契約と書類の準備

外国人実習生受け入れの概要と法的要件

実習開始前に、制度の基本的な目的・対象業種・企業の適格性をしっかり理解し、監理団体との連携体制を整えることが、順調な運用の第一歩です。

監理団体(組合)との連携と契約

企業は、外国人実習生を受け入れる際に監理団体との連携や契約を適切に行うことで、制度運用上の義務をクリアし、実習を円滑かつ法令に準拠して進められます。

監理団体とは、外国人実習生の受け入れ・入国後支援・実習中の監査・企業への指導など、多岐にわたる役割を担う非営利法人です。

監理団体との契約は「形式」ではなく「パートナー選び」です。

以下の点をチェックし、信頼できる団体を選びましょう。

監理団体を選ぶポイント

  1. 契約内容と費用の透明性
  2. 入国後・実習中のサポート体制
  3. 緊急時・生活面のフォロー力
  4. 定期監査や訪問の実施頻度

契約前に複数団体を比較し、企業に最適な体制を整えることが、実習制度の成功と外国人実習生の満足度向上に直結します。

外国実習生の労働基準法や労働契約に関する規定

外国人実習生の受け入れには、法的に認定された「技能実習計画」の作成と申請が必要です。

計画の内容は、職種・実習内容・指導体制・労働条件などを具体的かつ実態に即して記載する必要があります。

技能実習計画は、2017年に施行された「技能実習適正化法」に基づき、法務省と外国人技能実習機構(OTIT)に提出・認定を受けることが義務付けられています。

【不認定となる主な理由】

不認定の主因割合(参考値)
実習内容が単純作業とみなされた約30%
実習目的と業務内容の乖離約25%
労働条件が不適正(最低賃金未満など)約20%

また、第1号(1年目)、第2号(2~3年目)、第3号(4~5年目)の各段階において、異なる内容の計画書を作成し直す必要があります。

技能実習計画は「受け入れの土台」であり、認定されなければ実習は一切開始できません。

事前に監理団体と相談しながら準備を進めることで、認定率を大きく高めることができます。

外国人実習生の雇用契約書(雇用条件書)作成

外国人実習生と雇用契約を締結する際は、「日本語と母国語の二言語による雇用契約書」の作成が必須です。

雇用契約の雇用条件は労働基準法に則った内容とし、曖昧さのない明記が必要です。

外国人実習生は在留資格を持つ外国人労働者であり、労働者保護の観点からも雇用契約の書面化が法的に義務付けられています(労働基準法第15条)。

加えて、「技能実習適正化法」により、日本語と母国語の両方での雇用契約内容の説明が求められています。

【雇用契約書に記載すべき主な項目】

項目内容
労働時間・休憩・休日法定基準に準拠(例:1日8時間、週40時間)
賃金最低賃金以上/割増賃金あり/支払日明記
労働場所・業務内容実習計画と完全に一致させる
契約期間原則1年/更新時は再契約が必要
その他手当住宅費、食費控除の有無と上限

出入国在留管理庁・OTIT(外国人技能実習機構)による監査で、雇用契約書の雇用条件と実態に乖離があれば是正指導、最悪の場合は実習停止や不認定になる事例もあります。

雇用契約書があることで、企業と実習生の「言った言わない」トラブルを防ぎ、良好な関係を築く土台になります。

外国人実習生の在留資格認定証明書交付申請と入国準備

外国人実習生を日本に迎えるには、「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請が不可欠です。

これにより、入国管理局からの入国許可が得られ、入国後のスムーズな受け入れ体制構築が可能になります。

在留資格認定証明書は、法務省入国管理局が発行する文書で、外国人が日本に一定の在留資格で入国する際に必要な事前許可証です。

外国人実習生は「技能実習」の在留資格を取得するため、この申請が必須となります。

通常、申請から発行まで約1~3か月かかりますが、書類不備や内容不明瞭の場合はさらに遅延し、実習開始に支障が出る可能性があります。

【申請に必要な書類】

書類名内容・ポイント
技能実習計画認定書監理団体または企業からの認定証明
雇用契約書日本語・母国語で記載された正式な契約書
企業の登記簿謄本等会社の実態証明
実習生の履歴書・健康診断書入国後の就労適性を示す

電子部品製造のG社では、監理団体と密に連携し申請書類の事前チェックを徹底しました。

結果、申請から発行まで約40日でスムーズにCOEを取得し、入国日を確実に調整。受け入れ準備に余裕を持つことができました。

在留資格認定証明書の申請は、実習生受け入れの「関門」です。

この段階の遅れは入国時期の遅延につながるため、慎重かつスピーディな対応が求められます。

外国人実習生受け入れ関係機関への届出と入国後手続き

外国人技能実習生の受け入れ後は、入国後速やかに関係機関へ各種届出を行い、適切な手続きを完了させることが重要です。

これにより、実習生の在留資格を維持し、法令遵守を徹底できます。

入国後、実習生は空港で在留カードを受け取ります。

その後14日以内に、住居地を管轄する市区町村役場へ住所変更届を提出しなければなりません(出入国管理及び難民認定法第19条)。

また入国後14日以内に、「外国人雇用状況届出書」をハローワークに提出し、雇用状況を報告する必要があります。

法令により、外国人実習生も日本の健康保険・厚生年金保険に加入する義務があります。

保険加入手続きは、入国後速やかに社会保険事務所へ申請しましょう。

入国後の届出と手続きは、技能実習制度の適正運用に不可欠なステップです。

外国人実習生の雇用契約と必要書類でよくあるミス

外国人技能実習生の受け入れでは、制度理解の不足や手続きミスが原因で「不認定」「受け入れ停止」といった重大なリスクが生じます。

実務における「よくある間違い」を事前に把握し、防止策を講じることが重要です。

以下は、受け入れ企業のよくある違反・ミスの一部です。

外国実習生受け入れ企業のよくあるミス

  • 技能実習計画と実際の業務内容が異なる
  • 最低賃金以下の賃金設定
  • 雇用契約書が母国語で作成されていない
  • 手続き期限の認識不足

これらの書類は入国管理局への申請や労働契約書の作成に必要となり、外国人実習生の受け入れにおいて法的に正当であることを示します。

製造業I社では、実習計画と実際の配属業務に食い違いがあり、技能の習得に関係のない作業と判断され、改善命令を受けました。

技能実習制度は「外国人に日本の技能を移転する目的の制度」であり、労働力確保が目的と見なされるような運用は違法とされます。

外国人実習生の受け入れ書類の不備・誤記

外国人実習生の受け入れにおいて、「書類の不備・誤記」は極めて多くのトラブルの原因となります。

軽微なミスでも、手続きが遅延し、最悪の場合は不認定や入国拒否につながるため、細部まで正確さが求められます。

主なミス例影響
漢字の誤字(氏名・会社名)在留資格申請が受理されないことがある
記載日付の不一致(契約書と申請書)書類の整合性が疑われ、再提出を求められる
押印・署名漏れ書類の法的効力が認められず却下される可能性
添付書類の不足(例:パスポート写し)入国管理局やOTITで手続きが停止
翻訳の不備(母国語契約書など)実習生の同意が得られていないと判断される場合

物流業L社は、外国人実習生の雇用契約書の日付と申請書の日付が異なっていたため、入国管理局から「補正指示」が入り、再提出と審査のやり直しにより入国が1か月遅延しました。

その間、寮や通訳スタッフの費用が無駄となり、実質数十万円の損失が発生しました。

些細な誤記でも大きな損失に発展するリスクがあるため、「完璧であること」を前提にした書類作成・管理体制が必要です。

外国人実習生受け入れの必要書類一覧

外国人実習生の雇用管理と労働契約

外国人技能実習生を適正に受け入れるためには、段階ごとに多数の書類を準備・提出する必要があります。

書類不備や漏れは、手続きの遅延や不認定の原因になるため、リストで確実に管理しましょう。

技能実習制度は「受け入れ準備 → 計画認定 → 在留資格 → 入国 → 雇用開始」と多段階のプロセスがあり、それぞれに関係する提出書類があります。

① 技能実習計画の認定申請時

書類名補足・注意点
技能実習計画書実習内容・実施期間・実施体制などを詳細に記載
実習実施者の概要資料企業の組織・業務内容の概要
雇用契約書(日本語+母国語)雇用契約の労働条件を明記。母国語版は必須
実習生の履歴書・最終学歴証明書学習歴・職歴が実習内容と関連している必要
健康診断書結核・肝炎・HIV検査含むことが多い

② 在留資格認定証明書交付申請時

書類名補足・注意点
技能実習計画認定通知書上記フェーズで取得した正式認定通知書
受入機関の登記簿謄本3か月以内に取得した最新のもの
住居に関する資料社宅・寮などの間取り図・契約書類など
実習生のパスポート写し全ページのコピーが求められることも
顔写真(縦4cm×横3cm)背景白、無帽、6か月以内のもの

③ 入国後の各種手続き

書類名提出先補足
在留カード(空港で交付)入国時に自動的に発行される
住所変更届出書市区町村役場入国から14日以内が期限
外国人雇用状況届出書ハローワーク雇用開始から14日以内
健康保険・厚生年金加入書類社会保険事務所雇用契約と同時に加入義務あり

3つのフェーズごとにチェックリスト化して運用することで、トラブル回避とスムーズな受け入れを実現できます。

外国人実習生の雇用契約と必要書類:まとめ

外国人技能実習生の受け入れには、計画立案から雇用開始、入国後の手続きまで多くのステップと書類が必要です。

特に、実習計画の内容と現場業務の整合性、雇用契約書の母国語対応、各種届出の期限遵守が重要なポイントです。

雇用契約などの手続きミスや認識不足は制度違反や受け入れ停止につながる恐れがあります。

必要書類は段階ごとにリスト化し、監理団体と連携しながら進めることで、安全かつ円滑な受け入れが可能になります。

制度の理解と準備が成功の鍵です。

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